昨日の続きですー。
早く、この戦場から脱却した〜い! いえ、管理人が・・・(^^ゞ
それでは、ゲーム『ファンタスティック・フォーチュン』をご存知のかた。
または、管理人の二次話、もしくは本館HPをご存知の方。
はたまた「暇! どうしようもないほど暇! なんでもいいから見せなさ〜い!」という豪気なお客様。
どうぞ つづき へお進みくださいませ。 <(_ _)>
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どうぞ つづき へお進みくださいませ。 <(_ _)>
彼らの実践 8
「殿、下・・・」
走り回る将兵たちの怒鳴り声が響く中、その中心であるここだけが不思議に静かだった。
血に染まり、鮮やかなはずの緋色をどす黒く変えた肩掛けが、ベチャリ、と地に落ちる。
倒れ付す緋色の魔導士の息は、顎を上下させてかろうじて続いていた。
「やっと、動いたね・・・。
シオンがここを離れたのを好機と見たかい? 離れることが出来たからだ、とは?」
魔導士の血に染まった口元が、ふ、と微かに笑んだのは否定か、肯定か。
「息子、が・・・家を出て・・・おり、ます。養子、に・・・。
オベールとは・・・・・・既に、縁なく・・・」
「ローゼンベルグに連なる者でなくば、気にする事もなかろう」
「・・・・・・・わが・・・王・・・・・・・・心よ、り・・・・・・」
そう言葉を搾り出すと、緋色の魔導士は永遠に動きを止めた。
小さく息をつき、セイリオスは魔力が篭った剣を鞘に戻した。
今まで決して抜かれなかったその剣が、キールの防御魔道とレオニスの剣気の媒介となり、五人の魔道を防ぎ、彼ら自身に打ち返したのだった。
メイたちが持ち帰ったダリスの魔道兵器の応用版といえる術の魔道法則は、
それらを調べたキールが編み上げ、シオンがセイリオスの剣に封じ込めていた。
シオンとキール、そしてレオニスにしか知らされなかった剣の秘密。
裏切りを燻りだす以上に、秘密を守るために陣はわざと手薄にされていたのだ。
セイリオスは苦い思いで柄を握る。
柄はまだ、魔道の波動を震えながら伝えてくる。
「ダリスでも、どこでも。こんなものは、あってはならないのだよ」
その感触が起こす悪寒を捻じ伏せるように彼は剣を握り締めた。
「俺も残念です・・・本当に・・・・・・」
キールは跪き、オベールの瞼をそっと閉じた。
彼が編んだ術は、相手の力を正しく反すもの。
傷には傷を。死には死を。
つまり彼らは自分たち諸共、セイリオスのことを本当に弑逆するつもりだったのだ。
しかし彼らがそれを考えたのではない。
考えたのも、実行させたのも、彼らが所属する貴族の派閥内上層部だ。
地方領主の家系の出であるキールにも、上級貴族の横暴と隷属するしかない下級貴族の
力関係は理解できた。
理解はできるが、納得はできない。
彼らは代々のその家系から逃げる事も叶わず、ローゼンベルグのような人物が長となれば、使い捨ての道具そのままに扱われ切り捨てられる。
全ては家名のため。連なる家族のために。
だから、本来ならば長である家の名を出す事などは出来ない。
「殿下、彼はローゼンベルグの名を、っ」
思わず、咳き込むような勢いで言うのに、セイリオスはあくまでも冷静な視線を向けた。
「そう、わざと言い残したのだろうね・・・」
「では彼は、本当は!」
「名誉回復は難しいだろう・・・だが望み通りに彼の息子の家系は残される。
たとえオベールの名では無くともね」
血に汚れ泥に塗れた、かつての緋色の魔導士。
白くなりすぎたその顔の表情は、どこか安堵したようなものだった。
――――― やりきれない思いがした。
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